鬱映画が見たくてよく名前があげられる有名映画「ミスト」を視聴しました。
事前に知っていた情報は"ラストに何かある"ということだけです。
以下、作品情報とネタバレありの感想です。
ミスト/The Mist (2007)
監督:フランク・ダラボン
ジャンル:SFホラー
あらすじ:デヴィッドが8歳の息子とスーパーで買い物をしていると、鼻血を流した男が「霧の中に何かがいる」と店内に逃げ込んできた。外はたちまち濃い霧で包まれ、人々は置かれた状況の異常さを察していく。
感想:めちゃくちゃ面白かった
鬱映画としてよく語り草になるこの映画、確かにめちゃくちゃショッキングなラストだったけど、ラストに向かうまでのパニック映画としての内容がそもそも凄く面白くて、名作と言われ長年の人気を博しているのもその為なんだろうなと思いました。
心的ダメージは思っていたよりなくて、というのもあまりにラストが鬱展開であることが有名なので「なるほど確かにこれは鬱だわ」という納得感が5割くらいあったからだと思います。
なので最終的な印象は"バッドエンドの名作パニック映画"という感じで、とにかくとても面白かったです。
・登場人物のこと
主人公デヴィッドは、彼みたいな「どう考えても無茶な場面でも己の正義感のもと突き進む人間」が良い悪い正しい間違ってる関係なく好きなので、見ていてめちゃくちゃ楽しかったです。
狂信者カーモディはキャラクターとしては別にだけど物語の役割としては好きで、初めは彼女を嫌っていた人々が不安や恐怖から狂信者へと変わっていく様子は集団パニックものっぽくて大好物でした。
触手関連で居たおっさんが、クズ→デヴィッド一味→狂信者にコロコロポジションチェンジしていったのはウケました。
推しのオリー(初期の方からデヴィッドに協力し、銃を扱える者としてその射撃力で活躍する)が車に乗る前に脱落したところだけは唯一ガチでショックでした。
・作中で好きなシーン
最初の方の、紐を腰に巻いてスーパーの外へ出るおじさんのシーンがかなり好きです。しばらく歩いたところで紐がグンと明らかに何者かに引っ張られ、やがて抵抗を無くす。恐る恐る回収していくと血がべっとり塗られた箇所が現れて、しまいには紐を巻いていた腰の部分だけがスーパーの前に引っ張られてくる、といういない何者かの恐怖をその場の全員で共有する感じが気味が悪くて一連の流れ全部好きです。
軍の兵隊がカーモディ扇動のもと狂信者たちに胴を刺され担ぎ込まれてスーパーの外へ放り出されてしまうシーンは、まさに人間の怖さって感じで好きでした。彼の泣き叫ぶ顔や血で塗られた手形がドアに残るのも悲惨。
地味に好きなのがずっと息子を見ていてくれていた中年の女性が人々が寝ている間に自殺してしまうシーンで、「自分があの場にいたらどうしていたんだろう」ということを考えさせられたので強く印象に残ってます。
・有名かつ最悪なラスト
スーパーから街の外まで様々な犠牲を払って命からがら逃げ出したのに希望のきの字もないどのろか今までとは比べ物にならないサイズのデカい奴が現れた瞬間「あ、終わったな」と思いました。あんなんがうろついてて安全な場所なんてあるわけないだろ。
ガス欠して銃を出したときは「もうそうするしかないよな」って感じでした。一人だけ地球外生命体に自ら殺されるという選択肢を取ったデヴィッドはやっぱり最後まで主人公だったと思います。
霧が晴れて軍の戦車が現れたとき、車内での集団自殺のことよりも、彼らが命をかけて戦ったスーパーマーケットでの出来事がとてもちっぽけな小さな世界での杞憂だったということを知らされたのが一番ショックでした。
スーパーマーケットでの地球外生命体との戦いや、人同士の争いで落とした命があまりに報われなくて………。
・おわりに
内容や展開が好みだったし片時も飽きることなく非常に面白かったです。
ミスト、最高ー!
おわり