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原作厨うるさ型オタクの映画ミスミソウ感想

映画ミスミソウの感想

 

小学生のころ人生で初めて自分のお金で買った漫画がミスミソウという、パンチの効いた読書初体験を果たし、それ以降10年近く人生の根幹にミスミソウが住み着いているオタクの感想文です。

 

ありがとう5割

原作改編に文句言ってる5割

 

・間宮と池川の原作再現具合がすごい

マジでこれに尽きる。

もはや原作の2人も好きだけど映画版の2人も好き、っていうレベル。凄かった。

 


秘密基地(?)での会話シーンのテンポ感と間宮の演技が絶妙で良いし、

池川の「キミの存在は(この環境には)毒だ 美しすぎる」は大大大好きなセリフなので最高の演出で登場させてくれてブチ上がった。

間宮の腸ボローンは原作でも「マジ!?」ってなるけど実写だと一層ギャグみたいになるな、と思った。でもあそこはタンマ!もあるしギャグ文脈で良いです。

 


ビジュアルも話し方も再現以上のものをお出ししてくれたので本当に良かった。

マジで良かった。ありがとう。

 


・遠慮なくゲロる先生

そこまでやってくれるんですか!?ってくらい先生がゲロってて良かった。

ミスミソウで好きなキャラは10年以上変わらず妙ちゃんと先生なのですが、先生のちょっと壊れちゃってる感じとか疲れ切ってる感じが"わかる"表現されててgood good goodでした。

 


・同級生の顔面が可愛すぎる

モブ女の顔面偏差値がノイズレベルで高かったように思う。

ド田舎のクソガキしかいない中に1人放り込まれた都会から来た美少女の野咲、というのがあのクラスのイメージだったので…顔面偏差値が釣り合ってちゃそこの印象って変わらない!?っていう…ちょっと解釈違いだったね…。

妙ちゃんは吊り目系じゃなかったけど気怠さ・孤高の狼感が演技で表現されていたので満足でした。

 


・相場がデカすぎる

キャスティング的にはわかる!!!初期の儚い美少年感からサイコパスの移り変わりってハマり役すぎるよな!!!と思ったけど、背も肩幅もめちゃくちゃデカくてビビってしまった。

こんなデカかったっけこの俳優さん!?って観てる間10回くらい思った。

 

 

 

シーンについて

 


・野咲の血だらけの口にキスするシーン

相場くんの歪んだ愛情の表現とか、血がキスで唇にうつる画のセンセーショナルさとか、魅せたいものはわかるしシーン単体ではめちゃくちゃ良いんだけど原作にない上にちょっと様になりすぎてるのが複雑だった(最悪感想)

 


・穴の中での反逆シーン

原作の構図が再現されてたのオオ!ってなった。

指を切るシーンは原作だと半分切れてるくらいだけど、映画だと全部スパッ!と切れてたので、そこはそうはならんやろ!となった。

三島が落ちて足割れて自滅するシーンも、原作だとかなり高いところから落ちてるけど映画だと言うての高さだったのでそれもエエ!?となった。そうはならんやろ…なるのか!?

あとかなり経った後に流美が様子見に行ったとき、めちゃくちゃに死体が見えていたので原作よりも「警察仕事しろ」感が勝った。

 


・野咲の武器の確保がその場その場すぎる

クギ→ペンチ→ボウガン全て雪の中から手繰り寄せて調達するのちょっとご都合すぎない!?となった。

特にペンチ(原作ではハサミ)は野咲が明確な殺意を持って持ち歩いてたものだからなんかな〜!!!

クギでの初めて雪の中から見つけた明確な殺意を、ボウガンで最悪の偶然として再現する、という繋がりだと思っていたので、

そこにペンチが仲間入りしたのは個人的に微妙な改変だった(うるさ型のオタク)

 


・妙子の小刀シャキーン!

逆に妙子の「お前なんでそんなもん持ち歩いてんの!?」感は原作でもあったし、さっきまでの塩らしさから一変して戦闘モードに変わるところ大好きなのでウケてしまった。

お気に入りシーン。

 


・妙子の服、何!?

真っ白な雪の中に野咲の赤い服と血、という図はめちゃくちゃ綺麗でしたが、妙子まで全身真っ白にする必要あるか!?

こんな田舎であまりにも前衛的なファッション、さすが妙ちゃんだぜ…。

 


・流美の服も、何!?

雪クソ降ってるのに…どうして絶対領域(死語)を…?

 


・妙子のCD推し

原作で妙子がずっと聴いてる曲が"流美が野咲からパクってきたCD"ということが判明するシーン、まじで原作読んで「ドエエエ〜!?!?」ってなったシーンなので、映画でこれでもかというくらいそこを推してくれて良かった。

監督もそこのシーンに脳を焼かれた1人なのかもしれない。

 


・流美について

髪の毛、原作だとボサボサのままじゃなくてある程度まる子ちゃんみたいに落ち着いてくるんだけど、映画だと切りっぱなしの前髪ガタガタのまま家でお母さんとほのぼの会話しているので「いやお母さんそれ放置するの!?」となった。

 


「ごああああ〜」が原作再現すぎてビビった。

「ああ流美ってこうやって喋りかけてたんだ…」と納得したレベル。

 


絵を描いてるシーンは良い原作改変だな〜と思った。

妙子への執着が言葉を介さずにわかるし、あのイラスト集が「小黒妙子!!!(殺意)」のシーンに繋がるのもなるほど〜になった。

 

・さいごに

原作のシーン・展開を最小限まで削ることなく詰め込み、かつ映画的な演出とやりたい表現はしっかりする、良い実写映画だった。

 

そもそも池川と間宮のキャスティング・脚本で5827715847億点/100点だし。

もし当時映画館で観に行っても同じ感想だったと思うから観に行けば良かったかも。

 

おわり